家づくりの足あと

西三才の家 (シニア世代の住まい)

西三才の家 (シニア世代の住まい)

ご家族の介護などを経て「家は安心して過ごせる家族の拠点であるべき」と考え至り、家づくりを決断された70代のご夫妻。人生経験豊富なご夫妻ならではの視点を伺いました。
(2013.06竣工)

【家づくりが始まるまでの足取り】

築20年の家を継ぎ、リフォームを繰り返しながら暮らしてきたのですが、
年齢を重ねるほどに冬の寒さ・夏の暑さが体に応えるようになり、
建物の躯体のゆがみも目立つように。
毎日の生活はもちろん、10年先を考えたとき、この家で健康に快適に暮らせるか、
介護が必要になったときや、やがてどちらかが一人になったときにも安心かを考えると、
今、健康で快適な住まいをつくるべきだと思うようになり、昨秋、家づくりを決断しました。


【誠設計との出会い】

30年ちかく前、我が家のすぐ前に西三才の公民館が建築されました。
実はこの設計を担当したのが誠設計事務所。
今でこそ周囲に色々な付属物がついたりメンテナンスを重ねたりでその面影が薄くはなりましたが、
当時の意匠はまさに誠設計という建物。とても印象的でした。
住まいの建築については、長い付き合いのある業者もあったのですが、
30年前の公民館建築時の印象や、耳に入る情報、またすぐ近所で身近であるということから、
誠設計に依頼することを決めました。


【欲しいのは、健康に暮らせる家】

私たちの建築の目的はただひとつ、「健康に暮らせる住まい」。
近年、とかく太陽光発電や燃料電池など低炭素住宅への関心が強く、
市場もそちらに誘導傾向にあることは承知していましたが、
まずは、健康に暮らせることを優先したいと思っていました。
それには、住まい自体の性能が高いこと。エネルギーが勿体ないからと言って
冬が来る度に着込んで活動範囲を狭め、夏が来る度に体力を奪われ弱ってしまうのでは本末転倒。
小さなエネルギーで夏も冬も快適に過ごせ、元気なときもそうでないときも
気持ちよく暮らせる住まいが欲しいと思っていました。


【設計そして施工】

025_story03.jpgできれば平屋をと思っていましたが、
土地の高低差などの条件から必然的に2階建てに。
1階を収納スペースとし、2階からアプローチする
ワンフロアで暮らせる住まいにすることになりました。

設計の際、特に気にしたのは、メンテナンス性。
掃除のしやすさは勿論配管メンテナンスの必要のたび
天井や壁をはぐのでは気が揉まれると思い、完全露出を
希望しました。幸い1階は収納ですから、配管の露出を
気にすることなくメンテナンス性を優先することができました。

工事中は、目の前でおこなわれる作業を毎日見守っていました。
若い頃に家を建て、継いだ家のリフォームを重ねたことから、
建築に関する経験や反省もあり、建築に携わりこれからを担う若い方々にも伝えられればと、
職人さんやLLBの湯本さんと毎日のように色々な話をしました。
こうした会話が未来に活かされると、とても嬉しく思います。


【これから】

025_story02.jpg年齢を重ねてから新築を考える方は少ないのかも
しれませんが、家は毎日を過ごす場所であり
家族の拠点となる場所。
姉の介護など様々な経験を通して住まいと健康の
密接な関わりに気付き、未来を見据えるようになった
今だからこそ、家を安心して過ごせる健康な場所に
しておきたいと強く思うようになったのだと思います。

もしかしたら、5年後10年後には自分たちの状況も
変わっているかも知れません。

それでもその時には、「あのときこの家を建築しておいて本当によかった」と実感するのでは
ないでしょうか。そしていつか、どちらか一人になったときにでも、
この家が残された者を守ってくれると思うと、とても心強く思えるのです。

後日知ったことですが、親戚の画家、故・松木重雄氏の作品をおさめた美術館「黒姫童話ギャラリー」も
誠設計さんの設計とのこと。一層親しみを増し、来春前の公園の桜が咲く頃には
ぜひ皆さんとお花見を・・・と夢見ています。
これからは、この家でゆっくり快適に健康に、毎日を楽しんでいきたいと思います。