家づくりの足あと

小布施の家

小布施の家

長年の想いを「リノベーション」に託したご夫婦。ご両親から受け継ぐ築50年の住まいを改修し、ライフスタイルを大きく変更。
“今を大事に”をテーマにした家づくりのお話を伺いました。
(2014.09竣工)

【家づくりが始まるまでの足どり】
29_story_01.jpg妻は、長く誠設計事務所で家づくりに携わっていたこともあり、いつか自分たちの小さな家をつくれたら・・・という思いがありました。
夫婦で想いをめぐらすことはありましたが、おじいちゃんが建ててくれた大切な家。安易に判断することもできず、『小さな家』に想いを馳せながら年月が過ぎていきました。
その後子どもたちが成長し、夫婦で将来を話し合うなかで、「将来の見通しなど立つものではない。いつかと思いながら10年我慢して過ごすなら、今できることをしたらいい。今が一番大切なのだから。」と考えるように。そこで、思い切ってリフォームを決断。夫婦の夢を叶えるプランを考えるようになりました。


【所長さんのアドバイス】
リフォームを決めると、ああしたい・こうしたい、と思いは膨らむ一方。夫婦の考えがまとまると、さっそく所長さんに相談に行きました。
すると、「その案もいいけれど、家族皆が楽しみにするような建築を考えたらどうだろう。」と所長さん。正直、はっとさせられました。確かに今は夫婦の思いが先行しがち。せっかく建築するなら、家族全員がワクワク完成を待ちわびるようなものでなければ建築だって楽しくない。家族皆を巻きこんだ楽しい建築をしよう、と夫婦の視点も『夫婦にとっての使い勝手』から『家族』や『介護・介助』にシフト。全体を捉えた楽しいリフォームを考えるようになっていきました。


【建築への想い】
「建築するなら団欒の場には薪ストーブを」というのが夫婦の夢。それがあるだけで気持ちが豊かになるし、薪は私たち家族の生活ではごく身近近な存在。これまでも薪風呂や炭ゴタツとして活用してきたので、この資源を活かした団欒の場をつくることを決めていました。
そして、特に気にかけたのがこの家を大切に守ってきてくれたおじいちゃんとおばあちゃんが喜んでくれること。いずれ介護・介助が必要になったときでも気持ちよくすごせるようにと考えたプランを見せて相談したら、喜んで建築を応援してくれ、とても嬉しかったです。


【設計の時間】
夫婦の想いをスケッチにして所長さんに見せたのですが、いざプランニングが始まると構造の対策を考えながら大きな決断がなされ、家の構成はみるみる変わっていきました。自分たちでは想像もしなかった案に、さすが!と脱帽。プロに委ねるといい結果になるものだなぁと感じました。
また、設計を経て思ったのが「素人は図面で考えるのが難しい」ということ。図面をみても、具体的なイメージがわきにくいのです。生活に密着した電気配線、コンセント、高さなどの決定時期は意外に早いもの。全体の想像ができるようプロの手を借りながら、早めに確認することも必要だなと感じました。


【施工の時間】
29_story_03.jpg所長さんのことはよく知っていましたが、LLBとのお付き合いは今回が初めて。現場は現場の流儀で進むのかなと思っていたのですが、代人さん・職人さんたちは「設計意図を汲んでつくる」という姿勢がとても明確。その上で、もっとこうしてはと提案してくれたり、現場でちょっとした変更を依頼すればすぐに設計サイドまで意図伝達され的確な答えをもって対応してくれることに感激しました。
現場を見ていて感じたのは、リフォームは本当に手がかかるということ。築50年の住まいでは、躯体が水平・垂直とはいかず、サッシひとつ取り付けるのにもあちこち微調整しながら気の遠くなるような作業を繰り返して半日がかり。何をおいても頭と労力を使いながら進むのです。職人さんの苦労を間近でみて、リフォームは新築より費用がかかると言われる理由を痛感したように思います。


【家づくりを振り返って】
長い間、「いつか・・・」と考えていましたが、悩んでいるなら前に進んだ方がいい。今は強くそう思います。5年先・10年先の見えない未来を想像して悩むより、今の方が大事。決断してプロに委ねれば、自ずといい結果に結びついていくものだと感じました。
皆でワクワクしながら見守っていた建築が終わります。これからは友人もたくさん招いて、家族で楽しみながら暮らしていきたいと思います。